目指せ!Strolz(シトローツ)への道 2013 (2013.12.21掲載)

オーストリア・レッヒ

013年9月9日(月)〜10日(火)

世界で唯一、完全オーダーメイドでスキーブーツを作るメーカーがあります。
オーストリア・レッヒ Strolz(シトローツ) 世界中のスキーヤーの憧れ
二度目の作成をまとめてみました。

 オーストリア・チロル州のレッヒに、世界のスキー愛好家垂涎の「シトローツ」本店があります。

 ★ シトローツ
     http://www.strolz.at/
 ☆ シトローツ日本代理店 (株)ビーエフエス
     http://bfs-j.com/

 スキーブーツはスキーヤーにとって永遠の悩みです。
 アンダーランクの靴であれば、インナーブーツがすごく厚くできているので、くるぶしや小指なども当たることはほとんどありませんが、これがグレードが上がるにつれインナーブーツはより薄くなり、力がダイレクトに伝わるようになるのですが。。。
 何せスキーブーツはプラスチックでできているわけで、人によってはあちこち当たるようになるわけです。
 経験した方でなければわからないかもしれませんが、このスキーブーツの当たりは本当に痛い。兎に角一歩も歩けない事もあるのです。
 そこで通常は靴を熱整形するなどして個々の足に合わせていくのですが。。。

 そこに、最初から足型を計測し、完全オーダーメイドの靴があったらどうでしょう?
 いつ履いても絶対に痛くない。おまけに完全に足形に合っているから、足全面に負荷が分散されるため強く締め付ける必要も無い。
 だから足の血の巡りも良くなり、靴自体がとても暖かいし、長持ちもする。シトローツを履く方は10年使っている方もいるほどです。
 
 世界中に取り扱い店はありますが、今回はその本店でのブーツ製作までのお話をまとめてみました(^^v

2013年9月9日(月)

 5回目のヨーロッパ放浪の旅で、何を思ったかオーストリアのシトローツ本店に行ってきました。
 実は最近のスキーブーツが前方向にとても柔らかくて、くまさんの体重ではとっても大変なんです。
 おまけにくまさん、フクロハギが太くて、どうしても市販の靴では前傾がきつくなって、それも色々な意味で大変なんです。

 そこで、最近のシトローツは(実は2000年に一度、同じ本店で作っている)どうなの?と見に行っただけだったのですが...\(_ _;)

 レッヒはオーストリアの中でも高級リゾート地。そのレッヒの街の中央部にシトローツ本店はあります。何も知らない人が見れば、ファッション関係やお土産屋さんが入った雑居店舗に見えるかもしれない。

 その建物の中の地下一階にその工房はありました。
 工房はシーズンオフのため人影は無く、見本のブーツだけが飾られた静かな空間です。
 以前はドイツ語しか通じなくて難儀しましたが、今は英語スタッフもいて話はスムーズでした。
 それとこの建物内はサービスでフリーWi-Fiが完備していたので、難しいところはPCを使い翻訳サイトを使って説明します。

 話した事は、こんな事です。
1) 現在アトミック REDSTER WC160 LIMITEDを使っていること
2) その靴が前方向に柔らかすぎて、今の板が抑えきれないこと
3) 板はELAN GSX WC191cmを使っていること
4) 前傾がきつすぎるのでスタンディングポジションの靴がほしいこと
5) 靴は前方向に曲がらなくてもいいと思っていること
6) 内側下くるぶしが大きいため、過去の全ての靴で整形したこと

 話し終わると、スタッフのCheistianさんが全て大丈夫だと!と太鼓判を押すので、雰囲気に流されて作る事になっちゃいました〜(^_^ゞ

 早速足の計測と、足裏の写真を撮影します。
 計測を始めると、想像以上にフクロハギが太かったようで、『スーパー...』と独り言(^_^ゞ欧米人には無い足なんだね(^^

 ちなみにここの四階にバーが併設されていて、何でも飲み物おごってもらえながらの計測です。これは13年前と変わらないんだね(^^;;;;

 とりあえず計測に行ったのが11時ぐらい。終わったらパーツを集めて靴を作るから4時にまた来いってさ(^_^)/〜


ファッションビル?と間違えそうなSitorlz

かなり拾い地下の工房 一度に10人以上作れそうだ


英語が中心のスタッフ Cheistian 優しくて新雪だよ(^^

 4時に再び工房に戻ると、既にブーツが組みあがっていました。
 ただ以前作ったときにアッパーシェルがワンピースだったのが、今回は2ピースになっている。よほどくまさんのフクロハギが太かったんだね(T_T)まぁ硬さには特に問題が無いと言うので、それはそれで良しとしよう!

 それではと早速フォーミング(インナーブーツに発砲ポリウレタンを注入して、完全に足形を作ってしまうこと)を始めます。

 しかしその前に、また『KUMA、何飲む?』だって(^_^ゞ今度は宿も決まったし、車の運転も無いので思い切ってビールもらっちゃった〜♪

 さてお仕事お仕事_¢(0-0ヘ)
 まずは計測データと足裏の写真を元に、直接靴とあたる部分に厚手のパットを貼っていきます。
 外くるぶし、内くるぶし二箇所、小指、甲、微妙なカットを入れながら写真のような感じに。

 ただ、このパットは3種類あって、後から見たら暑さは同じだから、どうも硬さが違うようだ。

 この時「よかったらインソールも作るよ?」と言ったのですが、『うちにも売っているけど、お前の足にはいらない!』だって。

 実はシトローツのフォーミングは、オーストリアで作ると足裏にまでウレタンが注入されます。しかし日本で作るものは入らないと、元日本でシトローツ区作っていた方が言っていました。

 そんなわけで綺麗にパットを貼ったら、それが剥がれないように静かに靴下を履かせてもらい、

 こんなつま先カバーを装着してから薬液が靴下に付かない様にナイロンの靴下を履いてからブーツに足を入れます。
 すると...う〜ん、流石。何処も当たらないけどサイズはぴったり!不思議な感覚ぢゃ(^_^ゞ

 次につま先が高くなっている専用の台に立つと発砲ウレタンを作るA液とB液を合わせて、それをインナーブーツから伸びたホースに差込と...いきなり足のそこらじゅうが一気に押され始める。
 実はこれが遺体のなんのって(^_^ゞ脂汗を流しながら、引っ張り棒を目一杯の力で引き、足が動かないように踏ん張るんだけど...やっぱり少しかかとが前に押し出された!
 そして一通りウレタンが行き渡ったと思った瞬間一気にバックルを閉める!!

 「・・・ぁ(汗)」最後の断末魔のような悲鳴とともにやっと片足のフォーミングが終わりました。
 ああぁ、でももう片方が残ってるんだよね(^_^ゞ他のスタッフが面白がって写真を撮ってくれました!

 一通りフォーミングが終わると、さっきの靴下やパットを全て取って、もう一度ブーツを履きます。
 ただ、まだ完全にウレタンが固まったわけではないので、あくまでためし履き。
 ところがこの時気が付いたのは、前方向が全然柔らかい!確かにスタンディングポジションが取れるようには調整してあったけど、一番の問題の前方向の硬さが無いっ!!

 でも問題はありませんでした。一言言ったら奥に持込んで、ちょこちょこっと直して来ました。きっと忘れたんだぞ。最初からやれよ〜(^^メ)

 何はともあれ、この日できることは終わりです。後は翌日もう一度履いてみてから、微調整があれば...と言うことでお会計です。

 今回作ったのは一番上のグレードで759€。(この時1€132円ぐらい)
 ただTAXフリーの書類を作ってもらえるので、それでユーロ圏を出るときに90€戻ってきました。まぁ現金なんですがね\(_ _;)
 くまさんは冬にまたヨーロッパ来るのがわかっていたからいいけど、普通の観光客にしたら、結構つらいよねぇ。

 とりあえず、日本円で9万円弱のお買い物でした。他のメーカーの靴と比べても、結構安い買い物だと思いますよ(^^v


くまさん用に組みあがったブーツ

足裏の写真を見ながら...

3種類のパッドで当たる部分をカバーする

その上から靴下を履かせ、薬液対策でビニールをかぶせ

頭から汗が噴出している

お店のスタッフは親切で明るい!

2013年9月10日(日)

 ブーツ作りはまだ終わらない。
 発砲ウレタンが完全に固まるのには1日かかります。
 なので朝起きたらまずもう一回履いて感触を確かめなければなりません。

 今回は当たりは無いようだし前方向の硬さも悪くない。だけどバックルが一番最後まで閉まってしまった。これはバックルのワイヤーが長いせいね。

 なので朝食を取ってからもう一度シトローツに靴を持っていって現状を見せ、ワイヤーを交換してもい、今度こそ終了です。

 行ってみると流石フルオーダーのお店、ワイヤーも細かく長さの違うパーツが揃っていて、ものの10分ほどで交換してくれました\(^o^)/

 結局シトローツを作ろうとすると2日は必要になると言う事です。
 なので、レッヒにお泊りしなくちゃいけませんね。
 じっくり時間をかけて、スタッフと細かい話をしてぜひ、世界に一つだけのマイ・ブーツを作ってください。


【おまけ】

 実はTAXフリーの書類ですが、お店にこちらの情報をお知らせしなくてはいけないので名刺を渡しました。そしたらね(^_^ゞ何を勘違いしたのか、『 KUMASAN 』と言う名前で書類ができてた
w(°o°)w おおっ!!
 それに気が付いたのは帰りのフランクフルトで時既に遅し!あせったけど、結局税金は返ってきました。結構いい加減なんだね(^_^ゞ
   【お店からの書類】【空港でもらった書類

 それから、Strolzカードなるものを作ってくれました。何でもシトローツの靴は永久保障で、何か困ったことがあったら言ってくれと。
 へ〜と思いながら「どこでも使える?」って聞いたら、この本店だけだって!使えねぇやん(T−T)
 そしたら郵送でも大丈夫だから送ってくれだってさ(^_^ゞ


くまさんのStrolz バックルの色を赤白赤白とオリジナルにしたよ(^^