くま's倶楽部 車椅子でも行ける旅 Act.6 (2004.11.15作成 2006.9.8修正)

エストニア ラトヴィア リトアニア バルト三国 世界遺産の旅

2004年9月17日(金)〜26日(日)

旅 の 資 料 編

  ここでは、今回の旅を振り返って、障がいをお持ちの方が行ったら?という想定で資料的にまとめてみました。
次に行くあなたの旅の資料として役に立てたらうれしいです。

ホ テ ル 編

エストニア タリン
 ・ Reval Hotel Central

  旧市街から3〜400mという立地で、歩いて10分で行く事ができます。レンタカー屋さん、床屋さんが併設されており、近くのVillホテル内にはショッピングモールもあります。
  ホテルはバリアフリー化されており、車椅子でも全く問題ありません。車椅子用の部屋もあります。
  お湯も豊富に使えますし、シャワーチ

ェアも言えば貸してくれます。
  併設レストランは一階、朝はバイキング形式で食材も豊富です。
エストニア パルマ
  ・ Best western Hotel Parnu

  旧ソ連時代に建てられたホテルで、色は全てが白で、おまけに全て四角で統一されています。現在では部屋に暖かい色のカーテンなどが取り付けられていますが、はっきり言ってぬくもりを感じない、息が詰まりそうなホテルでした。
  ただ、道を挟んで反対側に小さな花屋さんが並んでおり、そこだけがほっとする雰囲気を出していました。
  外から中、増設された部分などの段差には全てスロープが付けられ(多少急ではあるが)ていますので、車椅子でも問題はありません。
  旧市街まで徒歩5分、新市街まで10分、泥風呂までは15〜20分と言ったところでしょうか、立地条件は申し分ありません。
  お風呂はシャワーだけでしたが、シャワーチェアも貸してもらえますし、スペース的にも問題がありません。TVやソファーが付いているので、ちょっと休みたい時などに重宝します。

Hotel
Deluxe Class
ラトヴィア リガ  ・ Metropole

  旧市街の一角に建つ四つ星ホテル。ただ、、入り口に4段、エレベーターホールに2段、レストランに一段の段差があり、スロープは無い。ただ、スタッフが上げ下げしてくれるので、精神的なバリアはありません。
  エレベータールームまで行けば、後は段差の無い造りになっているので、意外と使いやすい。シャワーチェアも貸してもらえます。
  旧市街はすぐ裏から、ショッピングモールも徒歩で5分以内に数箇所、一番大きな市場も、10分弱で行く事ができるため、立地は今回の中では一番いいと言えます。

ラトヴィア バウスカ  ・ Mezotne Palace

  ルンダーレ宮殿の姉妹宮殿をホテルに改装した...という感じのホテル。周りを散歩したら気持ちがよさそう。  たしかに綺麗で当時の家具をそのまま使う贅沢振りは中々体験できないもの。
  ただし、宿泊施設は二階と三階にあり、リフトも何も無いので車椅子では苦労します。車椅子の上げ下げも、宿の方々が好意的にやってくれるわけではありません。
  レストランが20:30で終わりなので注意が必要、一応それまでに入れば大丈夫なようだ。また、 シャワーチェアは無いが濡れてもいい椅子を貸してくれる。 朝食は、種類は少ないがバイキング。焼きたてのオムレツは中々いけましたよ。

リトアニア ヴィリニュス  ・ Reaval Lietuva

  超近代的ホテル(一番左ののっぽビル)で、バリアフリー化はもちろん、障がい者用の部屋があります。すんごくでかいけど(^_^ゞ高層からの旧市街の眺めは最高!
  食事は朝食だけでなく、夕食もバイキングで、ちょっと飽きてしまうかもしれませんね。
  ショッピングモールは近いのですが、旧市街探索にはちょっと向いていません。ヴィリニュスは旧市街が巨大なのですが、そこから外れているため、一日散策するとかなり疲れます。ただし、道の整備は一番いいです。
  また、カジノが併設されていますので、余ったコインを処分するにはいいかもしれません。

レ ス ト ラ ン 編

エストニア タリン旧市街  ・ Kuldse Notsu Korts

  ガイドブックには「おとぎの国のような」と評していましたが、まさしくその通り。古いレンガ造りに古民具をディスプレー、マスコットの豚さんは鉢になったり店に飾られたりカップにプリントされたり大忙し。ちなみに豚さんマグカップは1500円ぐらいとかなり高い。
  料理は「子豚の丸焼き」が有名らしいけど、私たちは郷土料理の豚レバーの揚げ物のような物を戴きました。味はGoodです。
  店は石畳が厳しい裏路地から数段の階段を登ったところ。店のスタッフに言うと、気持ちよく車椅子を上げてくれました。
  しばらくすると、生演奏も入り、かなりの盛況振りですから、少し早めに(19::30ぐらい)には店に入るのがいいでしょう。
  一人のスタッフが最初から最後まで面倒を見る方式なのですが新人に当ると、お世辞にも愛想がいい訳ではないので、楽しい食事には運も必要かもしれません。

リトアニア リーガ旧市街  ・ Melnie Muki

  地元の料理を食べさせる有名な店のようで、この日生演奏が入る8時過ぎには超満員でした。
  石畳の段差がきついのですが、うまく歩道を使うと、それほど苦労せずに行く事ができます。
  店は半二階で階段が10段ほどありますが、店のスタッフが快く車椅子を上げ下げしてくれるので、心的バリアは全くありません。
  店は多少狭いのですが、清潔でオレンジ色のライトで統一された店内は、何とも言えない異国情緒を感じさせてくれます。
  食べたのは鶏肉のコロッケ、中々いけます(^^

リトアニア スィグルダ市庁舎  ・ Siguldas Pismuiza

  スィグルダ城の向かい側にある市庁舎のレストラン。
  本文にも書きましたが、数段の階段が車椅子の行く手を阻むのですが、車椅子使用者のための呼び出しボタンがあります。
  しかし、この時はだれも出てきませんでした。おそらく夏の観光シーズンなら人がいたのかもしれませんが。。
  ここも、マンパワーで車椅子を上げてもらえます。心的バリアはありません。料理もおいしいのですが、必見は硬い豆腐のようなデザート...結構辛かったりして(^_^ゞ

リトアニア カウナス  ・ AVILYS

  カウナス旧市街のレストランで、ハニービールの醸造で有名。飲んでみると甘くなく、結構さっぱりしていておいしい。
  店内は古いレンガを使って雰囲気はいいのだが、何せ地下一階にあるため車椅子は大変。しかし、力自慢の店員(造り酒屋の働き手だな)が手際よく車椅子を上げ下げしてくれるので、心的ストレスは全く感じなかった。
  ここは内陸なのだが、地元料理として出されたのは以外にも魚系。日本人にはうれしいかも。
  ここもデザートが巨大で参ります。何とかしてくれ(^_^ゞ

リトアニア ヴィリニュス
  ・ リーバル ホテル ヴィリニュス前中華店

  泊まったホテルの前にあった中華屋さん。新しく作ったらしく、全てバリアフリー化されていました。
  ただ、メニューが基本的に英語とリトアニア語しかありません。漢字メニューはわずかに一部だけあるのですが、どうも変(^_^ゞ思ったものが出てきません。
  中華は、基本的に具材と調理方法を四文字の漢字で表すので予想は出来るのですが...予想を超えるとねぇ(^_^ゞ

観 光 地 編

エストニ 首都タリン  ・ 世界遺産タリン歴史地区(旧市街)

  タリンの旧市街は300×400m程度のコンパクトサイズで、周囲を城砦で囲まれているためわかりやすい街です。
  山の手と下の手に分かれており、アップダウンは結構きついものがありますが、道の両側には歩道が付けられ、それほど石畳を気にせず歩くことが可能です。
  街頭で営業しているバーに、みなスロープが付いているのが印象的で、諸外国から車椅子の方が結構見えられているんだなぁと感じました。街の中心にあるラエコヤ広場には、車椅子でも使えるトイレもありました。

エストニ首都タリン郊外  ・ エストニア野外博物館

  ソ連の政策で失いそうになったエストニアの歴史的建物と、その時代の生活、文化を集め、展示保存しています。と言うより、エストニアと言う国を保存しているように感じました。
  道は全て砂利道ですが、平坦で車椅子でも十分楽しめます。ただし、建物内に入るには、ちょっと助けが必要ですね。スタッフは全て民族衣装を着たおばあちゃんですから、助けは自前で用意するか、周りの方々にお願いしてください。
  なぜか、日本の懐かしい風景を思い出しました。お勧めです。
★夏の入場料は大人28クローナ(250円程度)で障がい者は無料、カードが使えます。冬は約半額です。

エストニ パルヌ  ・ マッド・バス(泥風呂)

  エストニアの夏の首都パルには新市街と旧市街に分かれ、旧市街は小さく、車椅子での移動も問題ありません。
  ただ、日曜に行くと旧市街の多くの店が休みですのでつまらない。その時は新市街のショッピングモール等に行きましょう。
  この街の名物は泥治療、日本で言えば温泉のようなものです。フルで行う場合、小一時間かかりますので、時間の余裕を取りましょう。また、女性には大人気で、飛び込みで行っても、込んでいて中々出来ませんので、必ず予約していくことをお勧めします。
★全身のGeneralmudが150クローナ(1350円程度)、手足のみのLocl mudが100クローナ(900円程度)で、車椅子OKです。

ラトヴィア 首都リーガ
  ・ 世界遺産リーガ歴史地区(旧市街)

  一番石畳の凸凹がきつく、歩道も狭くて車椅子が通れない場所もあります。車椅子で精力的に歩くには、リフトアップの技術が必要でしょう。
  ただ、旧市街に車で入る場合、1時間で5ラッツ(約1000円)が必要なため、余り多くないのが助かります。
  旧市街は300×600mほどで、アップダウンは全くありません。また城壁がほとんど残っていません。しかし、明るいアールヌーボー様式の建物が多く、色とりどりの建物が並んでいる様子は、異国情緒を描き立ててくれます。
  近くに巨大な市場(屋根付き)があるので、そちらもお勧め。皮や毛皮の専門店も見逃せません。

ラトヴィア スィグルダ
  ・ トゥライダ城址 (下左)

  砂利道で多少大変ですが見る価値あり。
  中の博物館などは段差があります。塔にも登れるのですが、リフト等はありません。でも途中木の教会や、スィグルダの薔薇の墓など結構見所があります。
★入場料1.5ラッツ(300円程度)障がい者無料。

  ・グートゥーマニャ洞窟 (下中央)

  ラトヴィア版養老の滝。何という所でもないのですが自然が気持ちいいので、お散歩にどうぞ。

  砂利道と木の橋を渡って行きます。車椅子でも大丈夫。
  泉の水は鉱物が結構多いので、あまり大量には飲まないことをお勧めします。
★入場無料

  ・ スィグルダ城址 (下右)

  城門ぐらいしか残っていません。
  お城の中には野外音楽堂が作られ、粗末ながら客席もあります。
  景色がいいので、お散歩にどうぞ。
★入場無料

ラトヴィア バウスカ  ・ ルンダーレ宮殿

  「バルトのベルサイユ」伊達じゃありません。すばらしいの一言です。
  駐車場から砂利道で300mほど歩き、入り口は二階主な展示スペースは三階、トイレは一階です。今はスロープもリフトもありません。2006年に完成予定だそうです。ガードマンが車椅子ごと上げ下げしてくれますので、気軽に頼んでください。
  三階まで行ってしまえば段差はほとんどありません。全盲の方には、係員に言えば触っていいものと悪いものを教えてくれます。また、特別に触ってもいいですよと言うものも出てきます。
  絵画や調度品まで当時の貴重なものです。
★入場料1.5ラッツ(300円)障がい者無料でカードOK。

リトアニア  ・ 十字架の丘

  フタコブラクダのような丘の形をしている十字架の丘、縦に走る道と周りを幾重にも取り囲む道がありますが、車椅子での走行は無理です。ただ、すぐ側まで行けますので、その思いを感じ取る事は十分できるでしょう。

リトアニア  ・ カウナス

  旧市街は以外にコンパクトで、多少石

畳がありますが、車椅子でも大丈夫。カウナス城など、お散歩すれば気持ちいいコースです。
  ただ、展望台に登るには対岸のケーブルカーを使うか車で行くしかありません。ケーブルカーも階段があって、車椅子ではきついでしょう。

リトアニア カウナス ・ 杉原千畝記念館

  入り口に何段かの階段があるので、車椅子なら助けが必要です。トイレは難しいかもしれません。
  ただ、リトアニアの方々は、杉原さんの事を本当に尊敬していますので、ぜひ行って、日本語のビデオを見ましょう(^^;;

リトアニア ヴィリニュス近郊  ・ トゥラカイ

  ヴィリニュスから車で30分。美しいトゥラカイ城は城壁の中までは車椅子でも行けますが、展示スペースは全て二階以上ですので、厳しいかもしれません。
  それより、お城を一周できますので、美しい風景を眺めながらお散歩しましょう。お勧めです。
  お城の入り口には観光ヨットがいて、数人グループで乗る事が出来ます。こちらは車椅子でも大丈夫だとクルー(と言うより船乗りの親父)が言っていました。湖からトゥラカイ城を見るのは美しいとガイドも言っていました。お勧めです。
  トゥラカイの入り口には市も立っていますが、あまり治安が良さそうには見えませんでした。

リトアニア 首都ヴィリニュス
  ・ 世界遺産ヴィリニュス歴史地区(旧市街)

  ヴィリニュスはかつてヨーロッパで一番繁栄していた過去を持つだけあり、旧市街も巨大です。見る場所を絞って行かないと疲れてしまいますよ。アップダウンもあります。
  石畳もありますが、良く整備されていて車椅子でも全く問題ありません。ただ、街中のあちこちで工事をしていて、特にメインの通りを行こうとすると苦労するかもしれません。多分、あと数年かかるような気がします。
  街は沢山の民族が入り混じっており、旧市街に新しい文化が溶け込み、なぜかほっとする雰囲気を持っています。お土産には名物の蜂蜜酒と、かわいい手織りのポンチョがお勧め。


  いかがでしょう、参考になりましたか?このバルト三国は、福祉は進んでおらず、日本と同じように障がい者を見えないところに隠す所があるそうです。実際車椅子等で外出している方を見る事はほとんどありませんでした。その意味ではまだまだなのかもしれませんが、頑張れば十分楽しい旅になります。あまり考え込まないで、まずは旅に出てみませんか?個人で行くのが大変な方、ぜひ一緒に旅しましょう\(^o^)/ 

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